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オーディオ評論家 山本浩司先生 Q Acoustics QB12 - イースタンサウンドファクトリー

WORKS導入実績

オーディオ評論家 山本浩司先生  Q Acoustics QB12 試聴

YMMT QB12

オーディオ雑誌HiVi、ステレオサウンド等でハイエンドオーディオ評論をなさっている山本浩司先生の都内アトリエを訪ねました。

 Q Acousticsから「QB12 アクティブサブウーファー」を試聴、評価していただきました。

 

*本記事には先生が使用した作品が試聴できるようになっております。ぜひ聴きながらお読みください。

なおこの音源はSpotifyですので先生が試聴したソースとはフォーマットが異なります。ご了承ください。

試聴機材

  • Q Acoustics  QB12

Q ACOUSTICS AUGUST 2019 28932

QB12はQ Acoustics史上最大口径のドライバーをマウントしたアクティブサブウーファーです。

密閉型のキャビネットに12インチ(305mm)の大型ドライバーをシングルマウントし、

220WのDクラスパワーアンプで駆動する非常にパワフルなサブウーファーです。

 


はじめに

現在各オーディオメーカーから発売されているサブウーファーには実に様々な方式のものがあります。

たとえばダウンファイヤー方式というキャビネットの底面にドライバーを下向きにマウントして360度方向に放射するものや、

キャビネットの前後にドライバーを搭載し、その2つのドライバーを同相駆動させるものなどがあります。

それに対してQ AcousticsのQB12はシンプルに12インチドライバー1発を密閉型のキャビネット前面にマウントしサブウーファーの効果をもたせるという製品です。

 

また機能面においても全く過不足がない印象です。

クロスオーバー周波数を40Hz~250Hzまで任意に連続可変設定ができるという事ですので組み合わせるスピーカーにあったLPF(ローパスフィルター)・クロスオーバー周波数に変えることができます。

また映画などを見る際にはAVアンプ側でLPFの設定を行う場合がありますが、そういった場合もこのクロスオーバー設定を”AV”と表示した部分に合わせる事で対応しています。 

 

今日は私がメインスピーカーとして使用している15インチウーファーを搭載した「JBL Project K2 S9900」と、この12インチサブウーファーQB12を組み合わせて試聴します。

この記事を読んでいる方の中には"15インチメインスピーカーに対して、口径の小さい12インチのサブウーファーを組み合わせて何か意味があるのか?"と疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、それも確認していきましょう。

 

 IMG 4693

 

試聴の前にセッティングです。QB12はJBL S9900のL側前方に設置をしました。

 

一般的に低域には指向性がないと言われています。したがってサブウーファーはどこに置いても良いと言われています。

それは概ね正解ではありますが、人間の感覚というものは面白いもので、視覚でサブウーファーを認識するとそこから低域が再生されているかのように感じてしまうのです。

ですから私のリスニングポイントの前にはラックが設置してあり、これでサブウーファーをブラインドすることでそういった錯覚が起こらないようにしてあるんです。

これはサブウーファーを設置する上でのポイントの1つです。

 

 IMG 4703

山本先生のリスニングポジション付近の写真

ステレオイメージが損なわれないようにリスニングポジションの前にあるラックによってサブウーファーをブラインドしているのがわかります


試聴

 

では2ch(ステレオ)のCDから聴いていきましょう。

最初はスタイナー・ラクネスというノルウェーのジャズベーシストです。

■A Song For You / Stinar Raknes / Chasing The Real Things

 

ウッドベースを弾きながら自分でも歌うというミュージシャンなんですが、QB12があると低域が薄くなるところが綺麗に埋まっていますね。

これについては後ほど詳しく説明をします。

 

 

つぎにサン=サーンスのオルガン付きのシンフォニーを聴きましょう

■Symphony No.3 in C minor Op.78/ Charles Munch, Boston Symphony Orchestra / Saint-Saëns Symphony No.3

 

コンサートホールに朗々と鳴るオルガンのような音源は、このようにQB12の音量をあげてエフェクティブヴな鳴らし方をすると面白さが出てきます。

 

では次にグラミー賞を獲ったサンダーキャットの作品を聴いてみます

■Bye for Now feat. Michael McDonald(*)  / Thundercat / It is What it is 

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 *=日本盤ボーナストラック

 

このような音源だと低域のタイトさやキレが”音楽再生上の肝”となってくるので、あまりQB12を際立たせてしまうと、音楽の姿形が崩れてしまいます。このような曲の時はQB12をやや控えめなバランスで調整してあげると俄然楽しくなる。

 

このようにクロスオーバー周波数の設定をいろいろと試しながら試聴しましたが、クロスオーバー周波数をシステムに合わせて固定するというよりはソース・音源によってクロスオーバー周波数やボリュームを変えた方が良いと思いました。(もちろん使う方の個々の環境や感性によるので一概には言えませんが)

 

ではブルーレイでライブコンテンツを観ていきましょう。

■Eric Clapton / Lady in the Balcony: Lockdown Sessions

 

■David Byrne / American Utopia

 

■Talking Heads / Stop Making Sense

 

 

エリック・クラプトンのロック・ダウン・セッションズやデビッド・バーンのアメリカン・ユートピア 、それから1986年に録音されたトーキング・ヘッズのストップ・メイキング・センスのブルーレイを使いライブコンテンツを楽しみましたが、低域が充実すると楽しさが段違いです。

 

サブウーファーレスの状態で観ていると、なんだか遠くで起こっている出来事のように感じてしまいますが、 サブウーファーを入れる事でステージに近づけるような、その現場にいてミュージシャンたちと一緒に音楽を楽しんでいるというリアリティーが出るなという事を改めて実感しました。  

 

さて、冒頭 "15インチメインスピーカーに対して、口径の小さい12インチのサブウーファーを組み合わせて何か意味があるのか?"と疑問を持つ方がいるかもしれないという事を言いましたが、結論としてはとしては十分に意味がありました。  

 

実はこの部屋ではJBLの設置位置からこのリスニングポジションでの伝送特性を測ると50Hzぐらいでディップが発生しているんです。

それは部屋の定在波の影響からくるものですがサブウーファーを使う事でこのディップを埋めることができるんです。

先ほどスタイナー・ラクネスを試聴した際に低域の薄さを綺麗に埋めているという事を言ったのですが、それはこの超低域のディップを埋めてくれているという事です。

結果として再生された低域はスムースでリニアリティーが格段に良くなりました。

たとえ大型のウーファーを搭載したスピーカーを使っていてもサブウーファーを導入するメリットはあるという事です。

さらに小型のスピーカーで比較的小さな音で音楽を楽しんでいる方にもメリットがあります。それをこれからお話しします。


サブウーファーを導入する意味

"等ラウドネス曲線"で示されているように、人間の耳というのは音量をしぼっていくと聴感上低域が寂しくなる、低域が無くなっていくと感じてしまうものなのですが、サブウーファーにはそれを補填してくれるという効果があります。

例えば夜間の音楽鑑賞などであまり大きな音を出せない時にも、サブウーファーがあることでボリューム(音量)をしぼっても低域が寂しくならないのです。

特にこのQB12は12インチという大口径ということもあり、この聴感上における低域の欠如を綺麗に埋めてくれるのでお勧めできます。 「うちではそんな大きな音を出さないからサブウーファーなんて必要ないよ」と思われている方がいらっしゃると思うのですが、大きな音をださないからこそサブウーファーがあった方が低域の量感が損なわれないという事をお伝えしたいですね。


 まとめ

 QB12はサブソニック領域・超低域の音色がすごく良いです。 このクオリティーで定価9万円というのは信じられない。

これを聴いてしまうと「大型のスピーカーを買う意味はあるのか」と思ってしまうほどです。

低価格で小口径のサブウーファーは無理をして低域を再生しようとしているケースが多いものです。無理をするとどうしても低域の混濁感が生まれてクリーンな低域再生から遠ざかってしまいます。

対してQB12は余裕のある鳴りっぷりをしています。歪感が極めて少なく、低域の透明感が秀逸です。

この特徴は”大口径ドライバー搭載・密閉型キャビネット”のサブウーファーに見られる特徴ですが、QB12を聴いてその事を改めて認識しました。

 

ちなみに今日はスパイクに付属のゴムキャップを装着した状態で試聴しましたが、このゴムキャップを外す事でより一層低域のクリーンさが増すと思います。QB12を導入されたかたは最終的に設置場所が決まったらゴムキャップを外してスパイクの状態で設置する事をお勧めします。    


 ▼製品紹介

 

Q Acoustics QB12 アクティブ・サブウーファー

 Q ACOUSTICS AUGUST 2019 28932 1Q ACOUSTICS AUGUST 2019 29023 1

 

  • 製品仕様 

    低域ドライバー 12インチ(30cm)
    パワーアンプ出力 200W Class-D
    最大出力 220W
    周波数特性 28Hz~300Hz
    外形寸法 40×40×44.6cm(HxWxD)

  • 重量 18.5 kg

 

ご不明点やご購入を検討する際は、弊社までお問い合わせください。

 

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イースタンサウンドファクトリーが取り扱う製品を、お客様ご自宅の環境で試聴して頂ける試聴機貸出サービス(保証金必須)をご用意致しました。

試聴後製品が気に入られた場合、デモ機を返却していただき新品製品をご購入いただけます。デモ機の正常動作が確認でき次第、保証金は 全額返還 致します。

ぜひお試しください。

 

 

Q Acoustics QB12 に関しましてはお問い合わせください。

 


 

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●ご好評いただいているQ Acoustics3000iシリーズは、弊社ECサイトESF STORE 楽天市場店にて販売中。


山本浩司先生 プロフィール

  • ステレオサウンド社の雑誌「HiVi」「ホームシアター」編集長を経て、オーディオ・ヴィジュアル評論家へ転身。最新のオーディオ&ヴィジュアル機器を雑誌やWEBで評論している。
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