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オーディオ評論家 山本浩司先生xBeatink 田中木里子さん QA M20 Part.2 - イースタンサウンドファクトリー

WORKS導入実績

オーディオ評論家 山本浩司先生xBeatink 田中木里子さん M20 Pt.2

 

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オーディオ雑誌評論家 山本浩司先生と音楽好きから一目おかれる音楽レーベル「Beatink」からBeggars Japan Product Managerの田中木里子さんにBeatinkで取り扱っている楽曲を試聴しながらQ AcousticsのM20を評価していただきました。

 

今回は後編となるPart.2を掲載します。

 

*本記事には使用した作品が試聴できるようになっております。ぜひ聴きながらお読みください。

なおこの音源はSpotifyですので先生や田中さんが試聴したソースとはフォーマットや音質が異なります。ご了承ください。

試聴機材

  • Q Acoustics M20

M20 559x384Q Acoustics M20

Bluetoothを介しての無線接続、アナログ・デジタルの有線接続もサポート

Q Acousticsのアクティブスピーカー


 

▼▼インタビューの前編(Part.1)はこちら▼▼

オーディオ評論家 山本浩司先生xBeatink 田中木里子さん QA M20 Part.1

 

田中さん(以下T). 今聴いたエリカの曲も良かったのですが、同じヴォーカルという事でファビアナ・パラディーノ(Fabiana Palladino)も良いと思うんですよね。

 

山本先生(以下Y). では ファビアナの曲を聴いてみましょう。

 

T. この作品もめちゃくちゃ好きなんです。

 

Y. 彼女はイギリスのアーティストですか?

 

T. そうですね。お父さんがあのピノ・パラディーノ(Pino Palladino)です。

 

Y. ピノ・パラディーノの娘!?サラブレッドなんですね。

 

I Care / Fabiana Palladino, Jai Paul / Fabiana Palladino (Paul Institute)

 

 

Stay With Me Through The Night / Fabiana Palladino / Fabiana Palladino (Paul Institute)

 

T. はぁ……ため息が出てしまいます。

めちゃくちゃ良いですね。これはヤバいなぁ。

 

Y.うん。かっこいいですね。

 

T. 1曲目に聴いたI Careはイギリスの天才アーティスト・音楽プロデューサーであり、本作のリリース元のレーベル「Paul Institute」の運営者でもあるジャイ・ポール (Jai Paul)がプロデュースしています。
2曲目Stay With Me Through The Nightはまた別のプロダクションですね。

 

I Careに関しては先ほど言ったようにすごく好きなので、家や会社でよく聴いている作品の一つなのですが、「こんなにディレイやリバーヴがかかってたのか」という驚きがありました。

 

Y. なるほど。

 

T. 細かくレイヤーされている音や今まで聴き取れなかったバックトラックの小さな音も聴きとれたのでビックリしています。

 

Y. 今田中さんが感じた事をオーディオの用語で表現すると「解像度が高い」と言い換えられます。
解像度が高いシステムだと細かい音まで再生できるので、そういった音がよく聴こえますね。

 

T. 今まで気づけなかったパートや「こんなエフェクトがかかっているんだ」という気づきがありましたね。

 

Y. 今聴いた2曲は田中さんが仰るようにそれぞれのプロダクションの特徴が違っていましたね。
ジャイ・ポールと一緒に作ったという1曲目は非常に現代風で、音が多重にレイヤードされていました。
一方2曲目のStay With Me Through The Nightは80’sのUKソウルのような趣でしたね。

 

T. まさにその通りで、1曲目は音のレイヤーがすごくたくさん重なっています。それはもうしつこいくらいに(笑)
2曲目はもっとシンプルなプロダクションですよね。

MVも彼女がピアノで弾き語りしている様子が粗めの映像で表現されているので80’sの雰囲気を意識したものになっています。

 

 

T. 先ほどから繰り返しになってしまうのですが、私の好みである「声の息遣い」がリアルで良かったですね。
歌っている時の舌の動きまで分かりそうなくらいでした。
すごく良かったな。

 

Y. 舌の動きまで分かりそうというのは良い表現ですね! いかにリアルな音であったかが伝わりますよ。

オーディオ評論家になられた方がいいのでは?(笑)

 

T. いやいや(笑)でも本当にそう感じました。

 

Y. 冗談はさておき、別のアーティストの曲も聴いてみましょうか。

 

T. はい、次はエイドリアン・レンカー(Adrianne Lenker)というアーティストの曲を聴いてみたいと思います。
この曲はアコースティックな曲なのでまた雰囲気が変わるかと思います。

その次に用意したのはサンファ(Sampha)というアフリカ系イギリス人アーティストの曲です。
昨年にセカンドアルバムがリリースになったばかりの、UK R&B/Soulのアーティストです。

 

Y. それでは2曲続けて聴いてみましょう。

 

Ruined / Adrianne Lenker / Bright Future (4AD)

 

 

Spirit 2.0 / Sampha / Lahai (Young)


Y. 1曲目に聴いたエイドリアン・レンカーはUSのインディーロックバンド、ビッグ・シーフ(Big Thief)のヴォーカルですね。
田中さんがご担当されているんですか?

 

T. はい。3月22日にこの曲も収録されているアルバム「Big Future」がリリースされます。ちなみにビッグ・シーフも私が担当していますよ。

 

Y. もしかしてサンファも?

 

T. サンファもそうです。

 

Y. 田中さんは本当に良いアーティストをたくさん担当されていますね。

 

T. ありがとうございます。
今聴いた2曲についてお話しすると、私の中では「琴線に触れるアーティスト」というテーマでセレクトしています。
アルバムを聴いてもそうですし、ライブを観ても泣きそうになる曲を選びました。

 

Y. 確かに。聴くとなんだか切なくなる曲でしたね。

 

T. 私は以前ビッグ・シーフのライブを観たときには本当に泣きそうになっていたんです。
エイドリアンの声には心に訴えかける力があります。
それで言うと、サンファも同じようにハートに来る声の持ち主ですね。

 

Y. 確かに、心臓を鷲掴みにされるような感覚になりました。
先ほど聴いたファビアナ・パラディーノの曲は声にエフェクトをかけていましたが、今聴いた2曲に関してはそういった事をせずに声の質感をダイレクトに録音しているように聴こえますね。

 

T. なるほど。だから訴えかけるものがあると感じるんでしょうか?

 

Y. そういった側面はあると思いますよ。リバーヴも控えめでドライな録音でしたからね。
そもそもヴォーカリストに実力がある事が前提の話ではあるのですが、

うまいヴォーカリストに対して、そのような録音をしてくれると楽曲の良さが一層増しますね。まさしくこちらの琴線に触れてくる。

 

T. そうなんですね。この2人のアーティストはアルバムを聴いても、ライブを観てもウルっとしてしまうんです。それも毎回。
山本さんも仰るようにファビアナの曲もすごく良くて大好きなんですけど、彼女の曲はウルっと来る感じとはまた違いますね。

 

Y. どれも素晴らしい作品ではありますけどね。ファビアナもエイドリアンも。

それにしても歌物はどれも抜群です。やはりM20はヴォーカルの表現が素晴らしいですよ。
それは田中さんも感じてくれたと思います。

 

T. まったく同感です。

 

Y. オーディオ的な話をすると、このM20はウーファーの口径は125mmですからクラブの低域は厳しいですが、
ミッドレンジ、声などの中音域の表情がとても豊かに表現できるスピーカーですね。

 

T. 今日聴いた いくつかの曲はヴォーカルにそれぞれ特徴がありましたが、それぞれの良さが引き立っていたと感じます。

 

Y. 先ほど解像度の話をしましたが、M20は解像度が高いのでそれぞれの良い部分がきちんと再生できているという事ですね。

 

さて、実は僕はエイドリアン・レンカーが所属するバンド 「ビッグ・シーフ」のアルバム「Dragon New Warm Mountain I Believe in You」が大好きでして、田中さんと聴いてみたいのですが。

 

T. 是非お願いします。2022年リリースのアルバムですね。名盤だと思います。

 

Y. 録音が面白いんですよ。聴いてみましょう。

 

 

Change / Big Thief / Dragon New Warm Mountain I Believe in You (4AD)

 

Y. 今聴いたように非常に生々しい録音なんですよ。

さらにスネアやシェイカーなどがLch、ギターがRchにパンされた、まるで60年代〜70年代の曲のようなミックスをしてあるんです。
「このアルバムは1970年代の名盤です」と紹介されても信じてしまいそうです。

その場所の空気まで録音された感じが素晴らしい。

 

T. たしかこのアルバムのレコーディングは山小屋のようなところで行われたはずです。
そこにメンバーが篭ってレコーディングしていたといったストーリーがあったと記憶しています。

 

Y. そうそう。
ルームアコースティックが整備された現代のレコーディングスタジオで、それぞれのパートがセパレートされた環境で録音されたものとは違い、バンドがセッションしている感じが伝わります。

 

もう1人、Beatinkの取り扱っているアーティストで僕が好きなアーティストがいます。

アノーニ(Anohni)です。

 

T. ありがとうございます。アノーニ良いですよね。アノーニも私が担当しています。

一応説明をするとUKの出身で現在はニューヨークを拠点にしているアーティストです。

以前は「アントニー&ザ・ジョンソンズ」という名義で活動していました。

トランスジェンダーであり、2014年には個人名をアントニー・ヘガティから現在のアノーニに改めました。

 

Y. 彼女の歌は泣けるんですよ。

せっかくなのでアノーニ・アンド・ザ・ジョンソンズ(Anohni and the Johnsons)名義で昨年リリースされたアルバム「My Back Was A Bridge For You To Cross」から1曲聴きましょう。僕のイチオシです。

 

 

It Must Change / Anohni and the Johnsons / My Back Was A Bridge For You To Cross (Rough Trade)

 

Y. 声がいいですね。それとギターの音色も抜群です。
マーヴィン・ゲイやカーティス・メイフィールドを彷彿とさせます。

 

T. ストリングスを使用したサウンドプロダクションも秀逸ですよね。

 


まとめ

Y. 今日は色々と聴いてきましたが、いかがでしたか?

 

T. いやあ、とてもいい体験でした。
今日聴いた音はプロダクションが手が込んだ作品とそうでない作品の差が顕著に出ていたように感じます。
いいスピーカーで再生するとごまかせないんですね。

 

Y. それはそうですね。
良いシステムで再生すると良い録音はより良く聴こえますが、そうでないものは逆に粗が目立ってしまうものです。

 

T. 今まではちゃんと聴けていなかったなと少し反省しています。

 

Y. 今はリリースの形態も様々ですし、音楽の聴かれ方が多様化しています。

特に若い世代の人は今日のように録音された音楽に対して正対して聴くという事をあまりしないのかなと思います。
ライブハウスやクラブで聴く事を除けば、大部分の人が何か作業しながらBGM的に聴く事が多いんじゃないでしょうか。
それ自体は全く悪い事ではないのですが、一方でこのように「音楽と向き合う」事も知ってもらいたいですね。

 

T. 音楽と正対するという面で言うと、私の中では映画を観ている感覚に近いのかなと思いました。
他の事は排除して音楽に向き合う時間にはそれだけの価値がありますよね。

 

Y. このようにいいスピーカーで聴かないと分からない事もありますからね。

 

T. それはそうですね。私も今日は発見の連続でした。

 

Y. それに良い音でいい音楽を聴きながら話をするのは楽しいですよ。

 

T. 正直に言うと、私は今日ここに来るまでその感覚については懐疑的だったのですが(笑)、
今はよく分かります。
すごく楽しいです。

 

Y. 僕の感想としてはまず第一にBeatinkはさすが良い音楽持っているなと、
これだけ揃っているのはシンプルに「すごいな」という感想です。

それとやはりQ Acousticsのスピーカーは良いなと思いました。

その中でもこのM20は特に良い。

今日聴いたように音も良いし、スマートフォンさえあればオーディオシステムとして完結できる手軽さも魅力的です。

 

T. そうですよね。このスピーカー欲しくなりましたよ。

 

Y. M20は本当に自信をもってお勧めできますよ。ぜひ検討してください。

 

T. はい。この後色々質問させてください。

 

Y. 喜んで。

では、ひとまずインタビューはこの辺りで終了といたしましょう。
今日はありがとうございました。

 

T. ありがとうございました。

 


▼Beatinkについて

 

Beatink(ビートインク)は、1994年に設立。

ブライアン・イーノやエイフェックス・ツイン、サンダーキャット、トム・ミッシュ等、世界的な人気を誇るアーティストの楽曲を数多く紹介し、海外アーティストの招聘やマネジメント、音楽やアートイベントの企画運営、CDやレコードの制作やプロモーション、流通など、音楽業務を丸ごと行う音楽制作会社。

20年以上のキャリアと、国内外における強いコネクションを活かし、斬新かつ洗練されたアイディアに基づく企画・制作・コミュニケーションを通じて、ニーズに合った幅広い「サウンドデザイン」を提供。

 

BeatinkオフィシャルWEBサイト


▼製品紹介

 

●Q Acoustics Bluetooth対応 アクティブスピーカー M20

 qacoustics m20 lifestyle 19

 

  • 製品仕様 

     

  • 周波数特性 55Hz~22kHz
    入力 アナログ: RCA, 3.5mm

  •        デジタル: USB (type B),  OPT(オプティカル) 

  •        ワイヤレス: Bluetooth

  • パワーアンプ出力 65W x2
    外形寸法 279 x 170 x 296 (HxWxD/mm)

  • 重量 5.5 kg (アクティブスピーカー)/ 5.1 kg (パッシブスピーカー)

 

ご不明点やご購入を検討する際は、弊社までお問い合わせください。

 

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■ESF直販ストア

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上記ストアで販売中です。 不明点等お気軽にお問い合わせください。


ESF FOR RENT (ESF取り扱い製品貸し出しサービス)

 

esf rent

 

イースタンサウンドファクトリーが取り扱う製品を、お客様ご自宅の環境で試聴して頂ける試聴機貸出サービス(保証金必須)をご用意致しました。

試聴後製品が気に入られた場合、デモ機を返却していただき新品製品をご購入いただけます。デモ機の正常動作が確認でき次第、保証金は 全額返還 致します。

ぜひお試しください。

 


 

●山本先生のこれまでの弊社取り扱い製品試聴記事も是非合わせてご一読ください。

・Q Acoustics QB12

Q Acoustics Concept500

Q Acoustics Concept300

Q Acoustics 3020i/audiolab 8300A・CD

Q Acoustics 3010i/3020i/Concept20

Q Acoustics 3050i/audiolab 8300XP

 

  • 山本浩司先生 プロフィール

  • サウンド社の雑誌「HiVi」「ホームシアター」編集長を経て、オーディオ・ヴィジュアル評論家へ転身。最新のオーディオ&ヴィジュアル機器を雑誌やWEBで評論している。
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  • 田中木里子さん プロフィール
  • Beatink / Beggars Japan Product Manager
  • 音楽界のエッジの効いたガテン系集団「ビートインク/ビート・レコード」の女豹担当。 まだまだ体力に自信あり。好奇心旺盛で人懐っこく、飽くなき探究心から繋がる珍奇な交友関係も武器。寂しがりやで化粧下手。
  • https://www.beatink.com/
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